2018/08/29
七十二、日本茶の保存には『アルミ箔』の袋を!
アルミ箔とアルミ蒸着
お茶の袋って内側は全部アルミ製でしょ!?
そうなんですが・・・
お茶屋さんが使用する保存袋には大きく分け2つあります。
アルミ箔の袋とアルミ蒸着の袋です。
意外とご存知ないお茶屋さんもいます。
お茶好きな皆さん!
アルミ箔の袋を使いましょう。
何故アルパチーノ?
アルミニウムの元素記号『AL』を検索した所、
一番最初に出てきたのが、Al Pacinoさんでした。
『箔』と『蒸着』
簡単に言うと、
箔は、完全にアルミのみで作られた袋で、
蒸着は、別の素材、ビニールなどにアルミの粉を吹き付け接着させた物です。
左 アルミ箔 右 アルミ蒸着
見た目も違いますが、厚みも手触りも全く異なります。
アルミ箔の袋に窒素ガス充填した茶葉は、2~3年保存可能です。
ただお茶屋さんのセオリーやルールでなぜか1年と言う賞味期限が設けられておりますね。
では、アルミ蒸着はどうか?
同じ環境下では数か月で劣化し始めます。(もっと早いかも知れません。)
完全にアルミではないので最も影響を受けてしまうのが、
紫外線、日光です。
世界中のお茶の中で日本茶は生葉に最も近いお茶です。
既に発酵している、紅茶や烏龍茶よりずっとデリケートな茶葉だと言えます。
日光による影響を最も受ける野外での販売、
ファーマーズマーケットなどでは、絶対にアルミ蒸着は使えません。
透明の袋で売ってるのを見たことあるけど?
上記をお読みになって頂き、
個人の判断に委ねます。
日光に照らされたお茶はどうなる?
残念ながらこんな笑顔にはなりません。
日光により酸化が進み、
淹れたお茶に赤みが出て、異様な青臭さがあります。
(これは完成された茶葉の場合です、萎凋の工程ではありません。)
昔はアルミの袋はないですし、
お茶と言えば足の早い飲料の一つであり、
嗜好品であった事がこう言ったことからも伺えます。
私はよく、茶縁・茶心と言う言葉を使いますが、
お茶を大事に保存すると言うこと、またそう言った知識を身に着けると言う事も、
茶心の一つであり、
また、これを伝える事が茶縁にも繋がるのではないのかなと感じます。
皇紀2678年 平成30年 8月29日
東京神茶皇園 代表 河村皇志